「病は気から」と言うように、気の不足や変調などは全身に影響を与え、病気の一因になるとされます。
東洋医学における「気」は、目に見えないエネルギー(生命力) のようなもので、身体の中で必要なものを動かす働きがあります。
そして、その気は感情との関係が深く、感情の過度な変化が身体に影響を与えることがあります。
特に、長時間同じ感情が続いたり、突然の激しい感情の変動は、全身の気や血液、内臓などに影響を与えて、病気の一因になるとされます。
また、逆に内臓の不調によって、感情のバランスを崩して、気に影響を与えるとされています。
感情の中でも、一時的な「喜び」や「恐れ」、「驚き」などの感情は、身体に大きな影響は与えませんが、「思い悩むこと」、「悲しむこと」、「憂鬱になること」などの長時間続くような感情は身体に色々な影響を与えます。
日常生活でも、考え過ぎて胃が痛くなったり、喜び過ぎて興奮して眠れなくなったりするような経験があるかと思います。
感情が気や身体に与える影響は以下のようなものがあります。
【怒り】 怒り過ぎると、気が上昇し、肝(肝臓、胆嚢)を傷つける
【喜び】 喜びすぎると、気をなごやかにしてゆるめ、心(心臓、小腸)や精神を不安定にさせて傷つける
【悲しみ】 悲しみ過ぎると、気を消失させ、肺(肺、大腸)などの内臓を傷つける
【恐れ】 恐がり過ぎると、精神が極度に緊張して気が下がり、腎(腎臓、膀胱)を傷つける
【驚き】 驚きすぎると、不意に極度の緊張を起こし、気が乱れて感情を不安定にさせたり腎(腎臓、膀胱)を傷つける
【思い】 考え過ぎると、気が停滞し、脾(脾臓、胃)を傷つける
【憂い】 心が沈むと、気は縮こまり消失し、肺(肺、大腸)や脾(脾臓、胃)を傷つける
病気にならないためには、激しい感情を抑えたり、感情のバランスを保つことも大切です。
怒りっぽい時は悲しい映画を見たり、憂鬱な時は楽しい出来事を思い出したり、思い悩んでいる時は誰かに話をしてためないことがお勧めです。
また、気をコントロールしているのは「肝臓」で、肝臓は激しいストレスやイライラ、怒り、抑うつ気分で調子を乱してしまいます。
緊張が続くような状況は避けて、あまり神経質にならずに、楽観的な気持ちになることも必要です。
好きなことをしていたり、わくわくする楽しい時間は、気の巡りも良い状態です。
楽しい時間をたくさん見つけて、病気にならない健康な生活を目指してください。
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